現存する(人間以外の)種族の大元は、元を辿れば、この地に降り立った他世界の神から派生し誕生したといわれている。
ある意味では、人間以外の種族は、人間よりも歴史が古い存在である。
▼(主要種族とわりと社会的に認知されてる種族。)
人族。新人種とも呼ばれる。遺伝子調整・改造を施され進化した人間。
つまりは人工生命体であり、京東なる不可侵領域にて製造され、自我を持って世界各地に移動していったのが発祥らしい。古代時代に行われた大移動を「ハイネア大移動」と呼んでいる。
「ヴァラクヴィラ大陸」では最も多い種族ゆえ、ヴァラクヴィラでの「人間」とは主にこちらの方を指す。
人種、種族差別意識が非常に激しく、尊大であり、態度も大きい。
コア<宝具>と呼ばれる特殊な器官を持って生まれ、それが心臓の代わりを果たしている。
後述の虚<ウロ>を旧人種と呼び差別、ひどく迫害する傾向がある。
ハイネアでないものはゴミ、とでも言わんばかりのような目で見てくる上に、実際にそう言う。(勿論言わない者もいるし、周囲に迎合して仕方なく言ってる者もいる。要は、一口にハイネアといっても、その価値観は様々なのである。)
人間が生まれながらに持つ宝石のような器官で、生命力の結晶。
宝石のような見た目をしていて、色や形も人それぞれである。
丸形から菱形など様々で、我々で例えるならば指紋のように、
全く同じ見た目や形をしている者はいないとされる。
ハイネアは人間のような心臓は持たず、代わりにコアがその役目を果たしている。
そのためコアを派手に損傷したり砕かれると死ぬ。
(後述する虚は酸素を、ハイネアは酸素の代わりに元素を吸収している。)
寿命(死)を迎えると自然消滅するが、それ以前に紛失=死、破壊=死である。
(コアをアクセサリーのようにして着飾ったりと、無防備にも急所を晒している者が多く、
その危機感のなさは世界が平和すぎたがゆえ。
ピンチや脅威は、往々にして突然やってくるだろう……。)
(本来の)人族。コアを持たない人族を「虚<ウロ>」と呼ぶ。
種族特性として元素及び元素力を持たない一般人。ゆえに、その点が強いコンプレックスとなっている。
しかし虚であっても資格者である場合や、ハイネアor他種族の血が混じっているのであれば属性を持ち、術も扱える可能性もあり得るため、最近では無闇に排除せず猶予を与えているようだ。
(ヴォルソルト大陸の人間はコアを持たず奇術も扱えないのでほぼ虚。)
ヴァラクヴィラ大陸では、上記の人間の人口が大半を占めているため、
それゆえにコアがあって当たり前の認識である。
それらのない者、虚は旧人種と蔑まれ、差別または抹殺の対象とみなされるので、
普段はコアに似せた装飾品<ダミー>を着用し、人間社会に紛れている。
過去「掃討祭」という名の、「人間による虚の大量虐殺」があったらしい。
相当に残酷なことが行われたようで、それについて語ることは半ばタブーとなっている。
長耳族。その名の通り長く尖った耳を持ち、特徴として長命かつ美人。
特に聴力が優秀。
それだけでなく、種族特性として元素を感じ取り、吸収することができる。
先祖が定めた種族の「掟」に従い、また掟に厳しく閉鎖的。
アイデンティティを強く持っている。
掟を破ったものは追放されるか殺される。
アルフィズの森(樹海奥地)に住むとされ、滅多に人界へ現れることはない。
(アルヴンが人界へ現れる事があるとすれば、それは警告か追放された者だろう。)
森が生む元素から栄養を得ているので食事は不要。
森がなくなれば森と共に朽ちるのみ。
花と緑を愛で、作物を育て、細々と暮らしている。性格は実は臆病だとも言える。
森や植物に詳しい、逆に言えばそれ以外の事柄には無関心で世間知らずともいえる。
アルヴンを初めて見たものは、その美しさに我が目を疑うとか。
その見た目から、森の妖精と称されることも。
ごくまれに、脱走して来たアルヴンもいる。
獣人族。毛皮や尻尾、何かしら獣の特徴を持ち、
動物か人間、どちらの姿にもなれる者もいる。
腕力、脚力が強い。戦闘向き。
「獣人」や「亜人」とも呼ばれるが、
どちらかというとこちらは差別的な言い方となる。
活動的で 明るい気性の者が多いが、
獣同士の縄張り争い的な意味での差別意識も少なからずある。
元素の適性は低く、主に武器で殴る力任せな者が多め。
彼等リカントは主に、力仕事が必要な場所への労働力として駆り出され、故郷を出ると二度と帰って来ることはないという。知力が高いとは言えないため、他者に利用されることも多いが、根は素直で善良な者が多い。
獣の姿に変化しているリカントのことはループと呼ばれ、
中には獣の姿のままで一生を過ごす者もいるとか。
魔族。魔物種とも呼ばれる。
人間やアルヴンと容姿は似ている種族だが、血の気の失せた肌や長く黒い耳、角などの人族にはない特徴を持っている者が多く、種族特性として元素力の扱いに長ける。
(元素力保有量が多く火力型。なお資格者でなければ意味がないので劣等感を抱いたり、生贄として界獣に捧げられる魔族の赤子もいるとか。)
全体的に冷めた雰囲気を纏い、人嫌いかつプライドの高い者が殆ど。知力が高い。
アルヴンと同様に他種族との交流を好まず、接触を避ける傾向にある。
ハーフにも厳しい。魔族内で差別されたハーフは人里にやってくることも。
(そこでも差別されることも多いが……。)
人界より遠く遠く離れた場所を棲家としているため、
滅多にお目にかかれない孤高の種族。
このように、人間以外は他種族との交流を望まない者が多い。
▽(あまり認知されていない種族。レア種)
魔族(吸血鬼)と人間のハーフ。
その身体には血が流れていないとか、血が青いだとか、様々な噂がある。
個体数が少ないため未だ謎は多いが、
何れにせよ、ハーフであると知られれば差別の対象。
(不死者、と呼ばれているのは――。
弱点を突かれなければ死なないため、憂さ晴らしの
サンドバッグとされていた個体を多く見られていたが故の名残。
つまりは、蔑称である。)
機械人。
幸か不幸か、心を持たず疲労を知らぬもの。
元素力を消費して稼働するゆえ、先天的に資格者。
かつて、鍛冶を司るとある神が人族に知識を与え、作らせたといわれる存在。
用途は主として労働力、参謀や療法士であった。
鍛冶神が消えたのを境に、全て廃棄、解体されたとされる。
神の気まぐれで作られ廃棄された、憐れな存在ともいえる。
(いつか、自我を持って反乱を起こすようなことが無ければ良いが。
集団で暴れられたら制御できる者はいるのだろうか。)
吸血鬼。魔族の一種である。
人間や動物等、血の通うものへと咬み付き、その生き血を食らう。
吸血することでそれらを「眷属」と化させる。
眷属にも吸血を行わせることで、ねずみ算のごとく急速にその個体数を増やす。
吸血鬼の眷属と成り果ててしまうと知能は低下し、
「捕食」「増やす」といった本能に従うことしかできなくなってしまう。
彼ら吸血鬼は不老長寿であって不死ではなく、弱点は存在するようだが――。
(弱点を突かなければ、ほぼ不老不死。血さえあれば生きていける。)
ドラゴン。龍及び、竜族の総称。竜人も含まれる。
鱗を持つものや爬虫類は、元を辿れば竜から派生したものだ、と唱える者もいる。
人族の言い伝えでは、別次元または遥か天空に棲み、
「神に最も近い」、或いは「神」とも称される。
半ばおとぎ話、架空の存在という扱い。
過ぎたるは及ばざるが如し。
地域や大陸などによっては、その存在が崇め奉られることもあれば、
ヴォルソルト大陸のイーヴァリスのように、悪として恐れ、口にすることさえも忌み嫌う。
その鱗は岩石のように固く、あらゆる攻撃を防ぐと言われている。
偶然地表に落ちた鱗で作られた鎧や剣があれば、竜に対抗できる唯一の手段となるかもしれない。
■竜の心臓
竜の心臓は、鼓動が止まると石化し結晶で覆われる。
結晶化したそれは「竜血石」と呼ばれ、
竜が竜としての存在と肉体を世界に確立、維持するために必要不可欠な核。
砕いて喰らえば無尽蔵の力が得られ、不老不死になるとも云われる。
もちろん、証明したものは誰もいないため、真偽は不明。
不老不死とは逆に、たちまち死に至るおそれもあるだろう。
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