▽判明している地名

神仰都市ラヴィン

〝人間こそ尊きもの〟と嘗て悪神を討った英雄「アンセム」を崇拝する王国。恐らく、ヴァラクヴィラ大陸で最大の街であろう。アンセムの思想は人間至上主義、人間過激派と呼ばれており、少なくない数の信奉者を生んでいる。信奉者たちで徒党を組むこともあれば、人間であってもその思想を恥じたり否定したり、「宗教のようだ」と揶揄する声もある。人間以外がこの都市を訪れると白い目で見られる。要は、全く歓迎されない。

ロスタニカ

ほぼ中心の国境に近い河川に面する街。新調された冒険者ギルド兼酒場がある。様々な人種からなる冒険者たちの拠点となることを想定・前提としているため、ロスタニカのギルドは非常に大型。河川に近いだけあって、多くの土地から現れた者達の交流の場となっており、ある意味で世界の情報の最先端を行っている。ギルド兼酒場で繰り広げられる日常会話こそ、世界の情勢を最も早く知る、有効な手段かもしれない。

イスタリア

北陸付近に存在する小規模の町。盗賊ギルドもあり、定期的に情報収集の集会などが（ひっそり）行われる。見知らぬ顔、つまりよそ者には警戒する習性がある。盗賊を取り締まるべき立場の人間に賄賂を渡しているという噂も。逆にいえば契約書等の書面ではなく、人柄による信用第一で、人間同士の繋がりを大事にする。

ミアラーテ

北陸の北東付近にある緑豊かな森。アルヴンの領土。清らかでおいしい水が流れ、綺麗な湖がある。天候にも恵まれており作物などを育てるのに適した地。その奥深くにはアルフィズの森が存在し、アルヴンがひっそりと住んでいるという。真偽を確かめた者はいない。もしくは、真偽を確かめた者も口止めされているのだろうか。

また、この土地で採れた水で作った酒は格別とのことで、宝石のような高値で取引されるものもあるとか。

ホワイトソルト

熱く、暑い。広大な砂漠地帯。通称「白塩」。砂が塩のように真っ白いことが名の由来。しかし砂に見惚れるなかれ、その先では嵐が吹き荒び、巻き込まれれば肉体は塵と化す。数多の冒険者達が白塩に挑んだが、皆行方知れずとなっている。砂で覆われた大地のどこかに、古代の王が残した遺跡や墓があるとの噂。そこには金銀財宝も隠されているらしいとも囁かれる。もし見つけることができれば、国ひとつを変えるくらいの財力を手に入れられるかもしれないが――所詮は噂止まり、確かめた者はいないのだ。そうして噂は今日も冒険者達の冒険心を虜にし、白塩へ誘う。

京東

嵐を防ぐバリアに守られ、中には高層ビルが立ち並ぶ。時代にそぐわぬ大都会の未来都市。圧倒的未知の科学技術を誇る先進国だが、それをそうと知る者は恐らくいない。なぜならホワイトソルトに挑み京東まで辿り着いた者も、京東を抜け出してホワイトソルトへ向かったが生還した者も誰一人としていないのだから。京東の常識は、世界の非常識。世界の常識は、京東の非常識。想像だにしないことが当たり前のように、日常の出来事として起こりうる土地である。

リディニーク

極寒の氷雪地帯。人間が住むには全く適さない試練の地。登山を趣味とする奇特な者か、冒険者しか向かわないだろうと言われている程に過酷な環境の場所だ。寒さに強い獣人やループがこの一帯を棲家としているなどの噂もあるらしい。まだ見ぬ脅威もいるかもしれない。

ファムナス

リディニーク近郊に位置する、四方を高い石壁で囲まれた商都。立ち上る煙、煉瓦造りの家々、理路整然とした道の網。まるで誰かに計画されたような街づくりをしている。仮に、誰かに計画されたとしたら、優秀な都市学者によるものだろう。その子孫が、この街のどこかにいるという噂もある。

あまりに効率を重視し過ぎたため、日常生活を無駄なく過ごすことができてしまい、時間を持て余した住民は娯楽に飢えている。

ハイチ

詳細不明の未開の大地。肌の黒い人間や魔族、界獣が住んでいるとの情報もあるが、詳細は依然として不明なままだ。毒霧の噴き出す屍だらけの悍ましい場所もあり、好んで近づこうとする者は命知らずくらいだろう。独自の文明を残しているとの噂も。

ヴァルアドナキア

ハイチを抜けた先にあるといわれる。強力な魔族が棲むらしい。仮に、この地のボスにあたる魔族を討伐したら。世界の民族同士のバランスが乱れてしまうだろう。触らぬ神に祟りなし。

東瀛（ユエグァン）

とうえい。環状の島国のようだ。京東と漢字が似ていることは、偶然なのか、なんらかの結びつきがあるのか。