英雄

アンセム……神は、気まぐれだからね。

Name  Anthem

年齢:若い

性別:?

身長:183cm

種族:人間

属性:光/人

一人称:僕

 

 

アンセム。

神代の時代に生きていた人物。
現代では神話やおとぎ話で英雄、勇者など――滔々と語り継がれている存在。


【黒キ竜】の支配とその尖兵の猛攻に屈さず武装蜂起し果敢に立ち向かう。
その勇気を讃えられ、女神より祝福を授かり悪を討ち払う力を得た。

人間であるため、術という奇跡を扱うことはできなかったが、
後に神より祝福を得たことで術の行使が可能となった。

明るく気さくな性格。困っている人は見過ごせない性分。
誰にでも手を差し伸べ、最期まで笑顔を絶やすことはなかった。

 

 

*    *    *

 

 

 

―おりたたみ―
自称・鍛冶神と名乗る者が「試作品のガラクタだ」と捨て置いた、
とある機械人形を甚く気に入り、名前を与え、
何かあればそれの傍に寄っては一方的に話し掛けていた。

――それが後のユストゥスである。

 

 

 


◆セリフ

「思うんだ。笑顔を絶やしてはならない、ってね」

「僕が笑顔でいるのは、皆を安心させたいからで――」

「不安にさせたくないから」

 

 

「人間を、見くびるな」 

 


嘘か真か。
出土した古い手記によれば、唯人ヒトであった頃のアンセムは神に願ったことで進化しハイネアとなり、手に入れたその力で勝利したのだという。
のちに後世に英雄として語り継がれる高尚な存在となった、アンセムの遺体が埋葬されたとされるラヴィンが、人間ハイネア至上主義となったのもこれの影響であろうとされているが……。 

伝承や噂は伝播し、史実は歪められていく。

男のように振る舞っているが実は女性

恐らく誰にもカミングアウトしていない。
埋葬した者はさぞ驚いただろうと容易に想像できる。

とあるキカイ 今でこそ、いっそ不気味なくらい笑みを絶やさないユストゥス。
だが、その昔は、笑わない機械だった。


ただつくるだけつくって捨て置いて、自分は何処ぞの宙域へと去って行ったあの神のことを、アンセムは仕事熱心だなと思う。 無責任だとは思わない。神は気まぐれだから、そういうものなのだろうと。
アンセムは人を疑わない。 例えどんな悪人だろうと、それはその人の本質ではないと信じている。

――あの悪神がこの世に災厄と絶望を振り撒いた。

緑豊かだったこの大地には今や悪神が生み出した化物が闊歩する。
草木は踏み荒らされ、空気は澱む。水は枯れて作物も育たず、満足に腹を満たすことも儘ならない。
悪辣蔓延る劣悪な環境。善良な人間も、悪人にならざるを得なくなる。
それ程に悪神の襲来は、人の心を変えるに十分な脅威であった。

この機械人形なる存在も、このまま置いておけばどうなるか分からない。渦巻く悪意に当てられて暴走するかもしれない。何よりこれは神が手掛けたもの。 神はこれを『失敗作』だと言っていたが。であれば、何がどう失敗作なのか、わからない。
捨て置いたのなら自由にさせてやりたいと思ったアンセムは、彼を引き取ることとした。

呼吸をしていない事に目を瞑れば、それは本物の人間そっくりで、驚くことにそれは言葉を解する。
未知の技術――神の奇跡によって生み出された――生命なのであろう。教えれば学習もするのだ。しかし、彼が自発的に動くことは無い。
あくまでも命令と、予め刷り込まれた――本能に則り行動するだけのようだ。

――なにか、大切なものが欠けている……?

軈て、熱心に構ったことで変化が訪れる。 これが後に何を齎すのか。
彼には、知る由もなかった。

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